家賃を滞納しそう、または滞納してしまった場合、相談できる公的窓口や支援機関がいくつかあります。
それらを知って活用することで、解決の糸口が見つかるかもしれません。

1. 自治体の生活相談窓口(自立相談支援機関)
各市区町村には生活に困窮する人の相談を受け付ける窓口があります。
例えば「生活困窮者自立支援窓口」や「福祉事務所」の相談係です。
ここでは収入減で家賃が払えないといった相談も可能で、ケースワーカーが状況を聞き取り、必要な支援制度を案内してくれます。
家賃滞納について相談すれば、後述する「住居確保給付金」の申請手続き案内や、場合によっては大家さん・保証会社との仲介をしてくれることもあります。
相談は無料ですし、プライバシーも守られます。

2. 消費生活センター
国民生活センターおよび全国の消費生活センターでは、賃貸住宅に関するトラブル相談も受け付けています。
滞納による保証会社からの過剰な督促(例えば深夜の電話や職場への執拗な連絡など)があれば、そのような行為が適切かどうか助言してくれます。
また、必要に応じて保証会社や管理会社に対しセンターから連絡・調整してくれる場合もあります。
消費生活センターは借主の味方になってくれる第三者機関と言えるでしょう。
連絡先は各自治体にあり、全国共通の窓口(188に電話すると近くのセンターにつながる)も利用できます。

3. 弁護士・司法書士(法律相談)
滞納が長期化し裁判沙汰が見えてきた場合、法律の専門家に相談することで状況が大きく変わることがあります。
たとえば弁護士から保証会社に介入してもらえれば、直接の取り立ては止み、以降の交渉は弁護士を通じて行われます。
また、分割払いの和解交渉や退去期限の交渉など、本人では難しい話し合いも弁護士なら可能です。
費用が不安な場合は、法テラス(日本司法支援センター)の無料相談や、各地の弁護士会の法律相談(初回無料や数千円程度)を利用すると良いでしょう。
司法書士も家賃請求の簡裁訴訟代理が可能なので、相談に乗ってくれることがあります。

4. 保証会社業界の相談窓口
全保連も加盟する「家賃債務保証事業者協議会」では、保証会社とのトラブルに関する相談窓口を設置しています。
土日祝を除く平日10~17時に相談受付とあります。
ここでは保証会社の自主ルールに照らしたアドバイスなどが得られるかもしれません。
例えば「保証会社にこう言われたが適切か?」といった問い合わせに答えてくれる可能性があります。
ただし業界団体なので、中立性という点では消費生活センターほどではないかもしれませんが、選択肢の一つとして頭に入れておきましょう。
5. 社会福祉協議会(生活福祉資金貸付制度)
各市町村の社会福祉協議会では、一時的な資金貸付け(生活福祉資金貸付制度)について相談できます。
例えば、「緊急小口資金」は急場の出費に対して最大10万円程度を無利子で借りられる制度です。
また「総合支援資金」は失業等で収入が減った際に生活費(家賃を含む)を数ヶ月分まとめて貸し付けてくれるものです。
これらはあくまで貸付ですが、無利子・保証人不要で据置期間もあり、返済条件が柔軟です。

以上のように、家賃滞納の際には利用できる相談窓口が複数存在します。
大事なのは「一人で抱え込まない」ことです。
滞納が長引くほど状況は悪化し、選択肢も減っていきます。

相談自体は無料で、秘密も守られます。
専門の相談員があなたの状況に応じた適切な支援策を提案してくれるでしょう。
行動が早ければ早いほど、家賃滞納問題は解決しやすくなります。
逆に「そのうち何とかなるだろう…」と放置していると、取り返しがつかない段階まで進んでしまうかもしれません。