賃貸契約時に「緊急連絡先」を指定することが求められるケースがあります。
親兄弟や親戚、友人などを緊急連絡先として届け出ている場合、家賃滞納が続くとその緊急連絡先にも保証会社から連絡が入る可能性があります。
緊急連絡先とは、あくまで非常時の連絡先であって法的な支払義務者ではありません。
連帯保証人とは異なり、滞納家賃を支払う義務はありません。

例えば「〇〇さん(借主)と連絡が取れないのですが、ご存知ありませんか?」とか「最近〇〇さんと連絡がつかないので、伝言お願いできますか?」といった具合です。
場合によっては滞納状況を伝え、「家賃が支払われていないのですが、ご本人と連絡を取っていただけませんか?」と依頼してくることもあります。
緊急連絡先は通常あなたの身内でしょうから、突然そんな連絡を受ければ心配してあなたに連絡してくるでしょう。
また、保証会社によっては緊急連絡先に対して少し強い言い方をすることもあるようです。
Yahoo!知恵袋の例では、母親が緊急連絡先だったケースで、保証会社から「払う気ないみたいなので追い出します」と事実上の恫喝を伝えられたとのことでした。
緊急連絡先に心理的圧力をかけて、借主本人に支払いを促そうとする意図が見えます。
保証会社としては「家族に知られたくなければ早く払え」という圧をかけるわけです。

では、緊急連絡先に連絡がいかないようにするにはどうすれば良いか。
これも答えは一つで、あなた自身が全保連との連絡をしっかり取り、誠実に対応することです。
保証会社は本人に連絡がつかない、又は本人が埒が明かない場合に初めて緊急連絡先に頼るものです。
従って、あなたがきちんと連絡を取り状況報告していれば、わざわざ緊急連絡先に電話される可能性は低いです。
「〇〇様の緊急連絡先に電話します」と事前に断ってくる保証会社はまずありませんので、気付いたら親に知られていた…ということにもなりかねません。

万一、緊急連絡先に連絡されてしまった場合は、すぐさまその緊急連絡先の相手(親など)にも連絡し謝罪しましょう。
そして現状と今後の対応策を伝えて安心させることです。
また保証会社にも、「緊急連絡先にまでご連絡いただいていたとは存じませんでした。ご迷惑をおかけしました。今後のやり取りは必ず私が直接対応しますので、どうか本人への連絡のみでお願いします。」と伝えると良いでしょう。
保証会社にとっても緊急連絡先とのやり取りは本来本意ではないはずです。
本人がしっかり出てきてくれれば、その方が回収しやすいので、以降は本人対応に切り替えてくれるでしょう。
なお、緊急連絡先へのアプローチは限度があります。

あくまで協力要請や状況確認に留まるはずです。
それ以上(執拗な取り立て等)をされた場合、緊急連絡先の人から消費生活センターや警察に相談してもらう手もあります。
ただ、そこまで事態をこじらせるのは望ましくないので、やはり本人対応が重要になります。
まとめとして、緊急連絡先への連絡が行くのは「本人と連絡が取れない」「解決しない場合」です。
そうならないために滞納時は速やかに保証会社と連絡を取り合うこと、もし連絡が行ってしまったら速やかに本人が出てきて対応することで挽回することが大切です。
