全保連から弁護士名で通知が届いた…もう逃げ場はないのか?

全保連から弁護士名で通知が届いた…もう逃げ場はないのか?

全保連は状況によって滞納家賃の回収業務を弁護士に依頼することがあります。

特に、裁判や強制執行など専門的な法的手続きに移行する際には、弁護士が関与するのが通常です。

いくつか具体的な場面を説明します。

訴訟提起の段階

全保連自体が原告となって訴訟を起こす場合、社内の法務部で対応することもありますが、多くの場合は外部の提携弁護士に委任します。

弁護士が代理人となり、裁判所に訴状を提出し、法廷で主張立証を行います。

借主には弁護士名で書かれた訴状副本が届くことになります。

また、場合によっては訴訟前でも、弁護士から内容証明郵便で「○月○日までに退去しない場合は訴訟に踏み切ります」という通知が届くこともあります。

これは法律事務所の名前で来るため、受け取った側は強いプレッシャーを感じるでしょう。

裁判後の強制執行の段階

強制退去や差押えの手続きでも、弁護士が代理人として動きます。

執行官との連絡調整や、債務名義(判決)に基づく差押命令の申立など、法的専門知識が必要な事務は弁護士が担当します。

あなたの勤務先に給与差押えの公文書が届いた場合、送達人は裁判所ですが、申立代理人として弁護士名が記載されているでしょう。

任意交渉の段階

訴訟にする前に、弁護士から直接交渉を試みる場合もあります。

例えば、ある日突然借主の元に弁護士名義のハガキや手紙が届き、「全保連から委任を受けました。至急ご連絡ください」と記載されていることがあります。

これは法的措置の予告および最後の話し合いの提案です。

弁護士が間に入ることで、借主に「もう猶予がない」という危機感を与え、任意の支払いまたは退去を促す狙いがあります。

借主側から見た影響

弁護士が出てくると「もう自分では太刀打ちできないのでは」と不安になるかもしれません。

確かに法的手続きは専門家が相手になります。

しかし、裏を返せば、借主側も弁護士に相談できる局面だということです。

訴訟に発展したなら、あなたも法律の専門家である弁護士に依頼して反論したり和解交渉したりできます。

ただし滞納事実に争いがないなら、弁護士を雇っても時間稼ぎ以上の意味は持たないかもしれません。

それでも、少なくとも全保連側の弁護士と直接やり取りしなくて済むメリットはあります。

経済的に余裕がなければ、法テラスの扶助制度を利用して弁護士を立てることも検討しましょう。

弁護士費用について

全保連が弁護士に依頼した費用は、滞納者への請求額に上乗せされる可能性があります。

裁判費用や弁護士費用相当額は、判決で債務者負担と認められる場合もあります。

つまり、弁護士が介入すれば、その分あなたの負債も増える可能性があります。

強制退去まで行けば、弁護士費用・訴訟費用・執行費用などで数十万円が加算されることもあります。

そうした意味でも、弁護士が出てくる前に解決するに越したことはありません。

まとめ

全保連が弁護士に回収を依頼する場面は主に裁判や強制執行のフェーズであり、実際にそうしたケースは珍しくありません。

むしろ、一定以上の滞納案件ではほぼ確実に弁護士が関与してくると考えて良いでしょう。

借主としては、弁護士から通知が来たら「本当に追い込まれている」ことを認識し、必要ならこちらも専門家の助けを借りて対応することが求められます。

最終的には、滞納額を清算し退去するか、和解が成立して分割返済するか、自己破産して免責を得るか、といった決着になります。

弁護士が絡む局面は最終局面とも言えますので、そこに至る前の段階であれば、何とか踏みとどまる行動を起こしましょう。